こんにちは。
左の図は、英国医学雑誌(British Medical Journal)
に報告された論文の図です。1900年から1930年に生まれた医師を対象に調査した結果で、青線は喫煙者の生存率、赤線は非喫煙者の生存率ですが、喫煙者は非喫煙者に比べて寿命が明らかに短くなっていることがわかります。年齢別には30歳代で禁煙すると寿命が平均で10年も延び、40歳代で9年、50歳代で6年、60歳代では3年寿命が延びることになるそうです。
何かをすると寿命が延びる(縮む)という話は、水木しげるさんの「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくるような少し怖い話でもあります。ただ日常診療では、胸部CTの画像を見ただけで、患者さんがタバコを吸っているか(または一緒に生活している方が喫煙者のために、受動喫煙しているか)をほとんど言い当てることができます。それほどタバコは肺に大きなダメージを与えてしまうので、タバコが止められない方は、ぜひ上の図をご覧になっていただき、お子さんやお孫さんの将来のためにも禁煙していただくことをお勧めします。
(文:森本)
参考文献 Doll, R. et al. : BMJ 328 (7455) : 1519, 2004