院内研修を行いました。

こんにちは。

平成29年5月10日、全職員を対象に院内研修を行いました。

研修内容は、「認知症ケア困難者への対応」でした。

講師は、医療法人雄仁会「加藤病院」の精神看護専門看護師(CNS)の河野修先生でした。内容は、先生の自己紹介から始まり、精神看護専門看護師の役割、大脳の働きからみた中枢症状と周辺症状、認知症ケアの基本技術(対応技術)についてでした。

人間は前頭葉の抑制機能が働き不快刺激に対しても状況に応じて行動することが出来る。しかし、認知症になり前頭葉機能が低下すると不快刺激に対して「トウソウ」を起こす。その反応が、心理・行動の異常として表れる。認知症は大脳皮質の機能低下が目立つが、大脳辺縁系の機能は健常に保たれることが多く、快刺激・不快刺激に直接的な反応が起きやすい。つまり、認知症・周辺症状の要因になる不快刺激を取り除き、快刺激を中心に提供することで認知症の問題行動・周辺症状を緩和、沈静化に効果がある(講義資料より抜粋)とのことでした。

 

明日から出来る具体的なこととして、①言葉遣い(常に敬語で対応する:大切にされているという遠隔記憶に敬語をつかう)②常に笑顔(相手がうれしいと認識される表情)、③視線を合わせる(見下ろさず目線に入るケア)、④優しくタッチング(相手が好ましいと感じるかどうか吟味する必要はある)、⑤ほめる(快刺激を提供する技術・否定しないような言葉に置き換える)、⑥謝る態度を見せる(怒りの感情を抱えた方へのケア技術・怒りの放置は興奮からBPSDの出現になる)、⑦不快なことは素早く終わらせる(羞恥心や不快刺激をなるべく与えずに声かけ配慮して行うケア技術)、⑧援助するものが気持ちにゆとりを持つことなどが挙げられました。

改めて、考えさせられることや学ぶことが多い研修会になりました。学んだことを生かしながら、今後も進化する組織を目指します。

                             (文:筑紫)