聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生が、7月18日に享年105歳でお亡くなりになられたニュースを知りました。心から御悔みを申し上げます。
大学時代に、日野原先生の講義を拝聴したことを覚えています。先生の自己紹介で、牧師のお父様が大分メソジスト教会に赴任して、幼少期を大分市で過ごされた御縁から、大分を第二の故郷のように思っておられると伺って身近に感じました。講義は先生が『生活習慣病』という言葉を提唱されたお話から始って、『聴診器のチューブは短い方がよく聞こえます。私は回診の時に聴診器を持っていない時にはハンカチを当てて直接耳で聞くこともあります。』などの実践的な御話をしていただきました。また、『君たちは将来医師になるのですが、この中で大病をして入院したことのある人はほとんどいないんじゃないかな?』と話され、ご自身が京都大学在学中にご病気をされてしばらく休学されたお話をされました。『私の一番のお薦めは、患者の手記を読むことです。特に医師や看護師など医療関係者の手記は正確に書かれていますから是非読むように。』とアドバイスされたことが印象的でした。以来、できるだけ患者さんの手記を読むようになり、今も私が大学で講義するときには日野原先生のお薦めのお話を、医学生に伝えるようにしています。
改めて先生の偉大さを感じております。合掌。
参考サイト:
朝日新聞2017年7月18日『日野原重明さん死去 105歳 聖路加国際病院名誉院長』
朝日新聞2017年7月18日『質素なにぎり飯の観音さま 寂聴さん、日野原さん悼む』
朝日新聞コラム 日野原重明先生『105歳 私の証・あるがまま行く』
(文:森本)