絵本 『おじいさんは島のおいしゃさん』 のご紹介

介護老人保健施設ニコニコ銘水苑の前施設長 菅井健治先生は、卒寿の九十歳を超えた現在も現役の医師として診療をされています。菅井先生は千葉県銚子市の御出身で、昭和20年(1945年)に東京大学医学部卒業後、病理学教室で医学博士を取得され、海上自衛隊医官(1等海佐)として勤務された自衛隊大湊病院をはじめ、シンガポール・サウジアラビア・アフリカ・南極など、さまざまな地域で診療されました。定年退職後は愛媛県の魚島診療所を皮切りに離島医としてご活躍され、長崎県の椛島(かばしま)診療所在任中は学研絵本の主人公として取り上げられました。平成16年(2004年)にニコニコ銘水苑の施設長に就任されて以来、10年に亘って大分の地域医療に多大な御尽力をいただきました。平成27年(2015)年4月1日より、再び離島医療に従事されるために長崎県壱岐市の壱岐市民病院に赴任され、今も地域医療に貢献されています。

 

このページでご紹介する絵本『おじいさいんは島のおいしゃさん』は1997年(平成9年)に学習研究社(学研)から出版されたもので、菅井先生が長崎県椛島(かばしま)診療所に勤務されていた様子を描いたものです。※絵本中では菅井「健二」先生と記載されています。残念ながら現在は絶版となっていますが、菅井先生がニコニコ銘水苑に勤務された2009年(平成21年)に当院の島袋隆先生の発案により出版会社の学研の許可を頂いて、ニコニコ生活村関係職員の賛同を募って復刻版を自費出版して地域の皆様に進呈いたしました。

 

このページでは、学研と作者の特別な許可を頂いて、絵本をインターネットで公開させていただくことになりました。作者である早野美智代さん(文)、石井勉さん(絵)、学研編集部の河田さんをはじめ、関係各位に心から感謝を申し上げます。

   ボランティアふれあいの絵本③ 

 

   おじいさんは島のおいしゃさん

 

    1997年2月12日 初刷発行

    1997年4月  7日   第2刷発行

    2009年3月  3日 復刻版(自家版)発行

 

     文   早野 美智代

     絵   石井 勤

 

    発行所 株式会社学習研究社 

 

   取材協力 全国自治体病院協議会

        長崎県福江市立椛島小学校

 

   装丁デザイン 日高逸雄

   見返し/絵    山川正芳

   企画編集   石川秀弘

   編集協力   清水秀子

          金丸精男

以上が1997年に出版された第2刷の写真版です。
以上が1997年に出版された第2刷の写真版です。
上のページは2009年の復刻版に新しく加えられました。蓮の写真は大分県臼杵市の臼杵石仏のハス園で撮影されたものです。左下のコラムに島袋院長による『私と菅井先生』の文章があります。
上のページは2009年の復刻版に新しく加えられました。蓮の写真は大分県臼杵市の臼杵石仏のハス園で撮影されたものです。左下のコラムに島袋院長による『私と菅井先生』の文章があります。

私と菅井先生

みえ記念病院 院長 島袋 隆

 

私は菅井先生と、5年前の2月14日に、長崎の池島で初めてお会いしました。先生が勤める離島の診療所がある島です。先生は自ら港まで出迎えてくれました。その日は先生の79回目の誕生日でした。とても元気で、声に力があり、どんな話題にもテキパキと対応してくれました。それ以来5年の付合いになります。春と秋には久住山に登り、沖縄から北海道に旅行しました。今でもとても好奇心が旺盛で、一緒にいろんな話ができます。先生は几帳面で、毎週のように御自分で撮影した草花の絵葉書を、何十人という友人に、何十年にわたって出し続けています。その中には、国立がんセンター(現 国立がん研究センター)の元総長もおられ、おかげで私も直接お話を聞く機会ができ、感謝しています。ある日、三重町内を車で走っていると、道端で腹ばいになっている人がおり、ふと見てみると、写真を撮っている菅井先生でした。あなたも、道端で、出会うかもしれません。その時は、ぜひ、「菅井先生!」と声を掛けてみてください。      

                          (2009年3月3日・記)